先日、中小企業家同友会オホーツク支部の、(有)サンヨー工業の社長、新鞍さんに、私が10年くらい使っていた、リラックスチェアの修理をお願いしました。
この椅子は、ニトリから買って、当時5万円以上したのですが、今、椅子を支える支柱の部分がグラグラして、座っても安定しない状態になっていました。
ニトリに修理の話をしてみると、修理に出しても、いつまで安定した状態で使えるのかわからない、1、2年後には、またグラグラするようになるかもしれない、と言われました。
その割には、修理代金は、2万円くらいはするとのこと。
結局新しい椅子を買ったのですが、そのグラグラする椅子も捨てられず、会社の2階の、昼休みの休憩部屋に置いて、使っていました。
椅子は回転するようになっているのですが、回転しなくてもいいから、グラグラしないように固定するように、溶接してもらえばいいかなと思い、農業機械の製作・修理などをしている新鞍さんに、椅子の支柱の溶接をお願いしてみたのです。
椅子を新鞍さんの工場に持って行くと、新鞍さんは、すぐに椅子をバラし、椅子の支柱の仕組みを分析し、支柱を安定させるように、工場にあったパイプを削り、その場で椅子を支える部品を作り出し、椅子のグラグラを直してしまいました。
凄い技術、凄い腕だなと、感動しました。
こういう壊れた状態を、どうすれば直せるのか分析し、直すのに必要な部品を作り出し、組み立てるという技術。
こうした総合した力は、現場で磨き上げた、長年の経験に裏打ちされたもので、一朝一夕では身につけることはできないものだろうなと、感じました。
新鞍さんは、70代ですが、40代、50代の職人さんでも、新鞍さんの真似はできないかもしれないなと思いました。
こういう腕は、属人的で、誰でもが簡単に身につけられるものではないのかもしれません。
企業が存続していくには、こうした技術を後継者が受け継いでいく必要があるのだと感じました。
結局、企業というのは、そこで働く人が、会社に利益をもたらす財産なのだなと感じました。
職人さんの腕から、色々なことを思い知らされました。
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